日本こけし工芸会には、創作こけしの製造販売を本業としているプロ作家と、本業以外に創作こけしに魅せられ、制作指導を受けてこけし作りをはじめたアマチュア作家が所属しています。
 みなさんの中で創作こけしの制作に興味を持たれ、公募展に応募してみたいと思われた方に文部大臣賞(現・文部科学大臣賞)受賞経験のある作家がアドバイスいたします。

第3回
小島隆(神奈川県横浜市在住)

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平成7年度全国近代こけし展 文部大臣奨励賞受賞作
題名:埋み火(うみひ)素材:ケヤキ・ミズキ・エンジュの組み合わせ 39センチ
制作意図:俳句の季語に“埋み火”という言葉があるの知りました。
      炎こそ表に出さないが、自身の中でしっかりと燃え続け、灰の中で
      出番を待つ、“控えめではあるが心の強さをもった面”が表現出来
      たらと・・・。

Q1.いつ頃、どこで創作こけしと出合いましたか?

 A1.1970年代の初め頃、北陸へ旅行した時に土産物屋
    で目に止まった小さな近代こけしに魅せられた。

Q2.創作こけしのどのよなところに魅力を感じましたか?

 A2.天然素材が持つ温かみと素朴な造形から生み出さ
    れる豊かな詩情性。

Q3.どのようにして制作指導を受けましたか?

 A3.こけし作りは独学ですが、始めるにあたり、小田原の
    ろくろ教室で器作りのろくろ技術を学びました。

Q4.実際作ってみて難しいところ、楽しいところを
   教えて下さい

 A4.難しいところは、天然素材であるが為、木目を生かし
    た作品では同じ木目の再現が得られない、また、
    素材及び加工方法によってはひび割れを起こす事
    もある。
    楽しいところは、素材選びから造形、加飾まで自由に
    創作出来ることにより表現力に幅が持てること。

Q5.創作こけしに取り組んでの感想、
   生活の変化などありますか?

 A5.創造する喜びは、こけし作りに限らず大きい物が
    ある。趣味と仕事の両立は、双方に対し空白の時間
    を持つことになる。この事は、リフレッシュされた気分
    で互いを見直すよい機会を与えてくれている様に
    思います。
    身の回りの、こけしと関係ない生活用品を造形として
    捉えてしまうようになった。    

Q6.これから作ってみたい方へのアドバイスなど
   ありますか?

 A6.創作こけしに限定せずに、多くの異種芸術作品に
    目を向ける中から創造の芽が生れると思います。